設備設計のワークライフバランス|残業が少ない企業の特徴
設備設計の仕事に興味はあるけれど、「残業が多いのではないか」「プライベートの時間が取れないのではないか」と不安に感じている方は多いでしょう。実際のところ、設備設計のワークライフバランスは企業によって大きく異なります。
この記事では、設備設計のワークライフバランスの実態を数字で示し、残業が少ない企業の特徴と、自分に合った働き方を実現するための方法を解説します。
設備設計の残業時間の実態
設備設計の残業時間は、企業規模や時期によって大きく変動します。
| 企業タイプ | 平均残業時間(月) | 繁忙期の残業時間(月) |
|---|---|---|
| 大手組織設計事務所 | 20〜35時間 | 40〜60時間 |
| 中堅設計事務所 | 25〜40時間 | 50〜70時間 |
| 中小設計事務所 | 20〜50時間 | 40〜80時間 |
| ゼネコン設備設計部門 | 25〜35時間 | 40〜55時間 |
| デベロッパー設備部門 | 15〜25時間 | 25〜40時間 |
| 設備メーカー設計部門 | 15〜25時間 | 30〜40時間 |
デベロッパーや設備メーカーの設計部門は、発注者側や製造業の勤務体系に準じるため、比較的残業が少ない傾向にあります。
設備設計の繁忙期と閑散期
設備設計には、年間を通じた忙しさの波があります。
| 時期 | 忙しさ | 理由 |
|---|---|---|
| 1〜3月 | 非常に忙しい | 年度末納品、確認申請の集中 |
| 4〜5月 | 普通〜やや忙しい | 新年度プロジェクト開始 |
| 6〜7月 | 普通 | 基本設計フェーズが中心 |
| 8月 | やや落ち着く | お盆休みで全体的にペースダウン |
| 9〜10月 | やや忙しい | 実施設計の本格化 |
| 11〜12月 | 忙しい | 年度末に向けた追い込み |
繁忙期と閑散期の差が大きいのが設備設計の特徴です。年間平均の残業時間が月25時間でも、繁忙期には月50時間以上になるケースがあります。
残業が少ない企業の5つの特徴
1. 設計と施工監理が分業されている
設計と施工監理を同じ人が担当すると、業務量が膨れ上がります。分業が進んでいる企業は、一人あたりの業務範囲が適切に管理されています。
2. 人員に余裕がある
一人あたりの担当案件数が適切に管理されている企業は、残業が少ない傾向です。
- 理想:同時に担当する案件が2〜3件
- 注意:同時に4件以上を担当している場合は業務過多の可能性
3. BIMやCADの自動化を活用している
最新のツールを導入している企業は、作図・計算の効率が高く、残業削減に成功しています。
- BIMの干渉チェックで手戻りを削減
- テンプレートやライブラリの整備で作図時間を短縮
- 計算ソフトの活用で手計算の時間を削減
4. 外注を適切に活用している
繁忙期の業務を外注(協力事務所やCADオペレーター派遣)に振り分けることで、社員の残業を抑えている企業は多いです。
5. 経営層がワークライフバランスを重視している
残業削減は現場の努力だけでは限界があります。経営層が本気で取り組んでいる企業には以下の特徴があります。
- ノー残業デーの厳格な運用
- 残業時間の見える化と改善活動
- 有給休暇の取得促進(取得率70%以上)
- フレックスタイム制やリモートワークの導入
設備設計で活用できる働き方の制度
| 制度 | 内容 | 設備設計での普及状況 |
|---|---|---|
| フレックスタイム制 | コアタイム以外は出退勤が自由 | 大手では普及、中小はこれから |
| リモートワーク | 自宅での設計業務 | CAD作業以外は可能な企業が増加 |
| 時短勤務 | 勤務時間を短縮(6〜7時間) | 育児・介護との両立で利用可能 |
| 裁量労働制 | 実際の労働時間に関わらず一定時間働いたとみなす | 管理職やシニア設計者に適用 |
| 副業許可 | 本業以外の仕事が可能 | まだ少数だが増加傾向 |
ワークライフバランスを改善するための転職戦略
ステップ1:現状を数字で把握する
- 直近6ヶ月の月別残業時間を記録する
- 有給休暇の取得日数を確認する
- 休日出勤の回数を数える
ステップ2:理想の働き方を定義する
- 残業時間の上限(月何時間まで許容できるか)
- 週休二日が必須か、月1回の土曜出勤は許容できるか
- リモートワークの必要性
- 通勤時間の上限
ステップ3:企業の実態を調査する
- 転職エージェントに企業の残業実態を聞く
- 口コミサイトで実際の声を確認する
- 面接で具体的な数字を質問する
ステップ4:年収とのバランスを考慮する
ワークライフバランスを優先すると、年収が下がるケースもあります。
| 重視するもの | 年収への影響 |
|---|---|
| 残業月20時間以下 | 残業代が減るため、年収が下がる可能性 |
| 完全週休二日(土日祝) | 年間休日が多い企業は基本給が高い傾向 |
| リモートワーク可能 | 年収への影響は少ない |
| 転勤なし | 大手企業では転勤なし手当がないため年収がやや低い |
設備設計と育児の両立
設備設計は育児との両立がしやすい職種の一つです。
- デスクワーク中心で体力的な負担が少ない
- フレックスタイム制で保育園の送迎に対応しやすい
- リモートワークの導入が進んでいる
- 施工管理と比べて出張・転勤が少ない
ただし、繁忙期の残業は避けられない場合があるため、パートナーや家族のサポート体制も重要です。
よくある質問(FAQ)
Q. 設備設計は建設業界の中で比較的ワークライフバランスがよい職種ですか?
A. はい。建設業界の中では比較的ワークライフバランスがとりやすい職種です。施工管理と比べると残業時間は少なく、出張・転勤も少ない傾向にあります。ただし、企業によって差が大きいため、入社前の確認が重要です。
Q. 残業を減らすと評価が下がりませんか?
A. 働き方改革が進む中、残業時間の長さ=貢献度という評価は見直されています。限られた時間内で成果を出す効率性や、設計品質の高さで評価する企業が増えています。
Q. ワークライフバランスを重視して転職すると、キャリアアップに不利になりますか?
A. 必ずしも不利にはなりません。残業が少ない環境でも、プロジェクトの質や担当範囲が広ければキャリアアップは可能です。むしろ、心身の余裕があることで資格取得の勉強時間が確保でき、中長期的なキャリアにプラスになるケースもあります。
Q. フリーランスの設備設計者はワークライフバランスがよいですか?
A. 自分で仕事量を調整できるため、コントロール次第でバランスはとりやすいです。ただし、案件を断ると収入が減るジレンマがあり、自己管理能力が求められます。安定収入を得ながらワークライフバランスを実現するなら、正社員のほうが確実です。